仏教にまつわる、ちょっとマイナーな話を小噺仕立てで。読んでいるうちに、なんとなく詳しくなっている——そんな読み物の棚です。
和尚の小噺帳 煩悩が108あると誰が数えたのか|除夜の鐘の数の話
除夜の鐘は108回。煩悩の数だと言われますが、その108という数の導き方には四つ以上の説があり、しかも確定した108個のリストは存在しません。誰も数えていない数字の話を、住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 地図の卍と、あの記号は別物です|卍のはなし
地図で寺院を表す卍。ナチスの鉤十字と混同されることがありますが、起源はまったく異なります。卍はサンスクリットのスヴァスティカで吉祥のしるし。釈迦の胸に現れた印とされ、日本最古の例は薬師寺にあります。
和尚の小噺帳 「有り難い」とは、めったにないという意味です|盲亀浮木のたとえ
ありがとうの元になった「有り難し」は、もともと感謝ではなく「めったにない」という意味でした。仏教に伝わる盲亀浮木のたとえは、人として生まれることの稀さを説きます。その話を住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 「往生した」は、本来めでたい言葉です|誤解された仏教語
「立ち往生」「往生した」は困り果てるという意味で使われますが、往生の本義は浄土に往って生まれること、つまり仏になることです。なぜ正反対の意味で使われるようになったのかを、住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 狛犬が口を開けている理由|「阿吽の呼吸」の阿と吽の話
神社の狛犬や仁王像は、必ず片方が口を開け、片方が閉じています。阿吽とはサンスクリット字母の最初と最後の音。つまり「すべて」を表しています。阿吽の呼吸の本当の意味を、住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 寿司の「シャリ」は、お釈迦さまの骨のことです……という話の真偽|誤解された仏教語
寿司飯を「シャリ」と呼ぶのは、白い米粒が仏舎利(お釈迦さまの遺骨)に似ているから——よく聞く雑学ですが、実は諸説あります。空海が残した記述をたどると、話はもう少し複雑でした。住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 「我慢しなさい」は、もとは真逆の意味でした|仏教から来た日常語の話
我慢、有頂天、億劫、玄関、挨拶、醍醐味——毎日使っているこれらの言葉は、すべて仏教から来ています。とくに「我慢」は本来まったく逆の意味でした。言葉が二百年でひっくり返った経緯を、住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 「他力本願」を人任せの意味で使うと、怒られることがあります|誤解された仏教語
他力本願は「他人任せ」という意味ではありません。阿弥陀仏の本願力にお任せするという浄土真宗の中心的な教えです。なぜ誤用が広まったのか、本来どういう意味なのかを、住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 疫病の時代に、天皇が「仏の奴隷」を名乗った話|日本仏教の夜明け・その三
奈良の大仏はなぜ造られたのか。天平の天然痘大流行で藤原四兄弟が全滅し、聖武天皇は仏教にすがりました。大仏造立の詔、そして天皇自ら「三宝の奴」と名乗った異例の宣言を、住職が小噺仕立てでお話しします。
和尚の小噺帳 聖徳太子は、政治家ではなく学者だったのかもしれません|日本仏教の夜明け・その二
聖徳太子が書いたとされる三経義疏。法華義疏は現存する日本最古の書物とされますが、真筆かどうかには議論があります。しかも中国の注釈書と七割が同文。それでも太子がすごい理由を、住職が小噺仕立てでお話しします。